「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」(1999年、米)

 ESの推敲に煮詰まってきたアタマを冷やすため久しぶりに鑑賞。これ、最初に見たときには、二番煎じだろーなとは薄々思いながらも「インディ・ジョーンズ」シリーズ並みの出来を期待してしまい、結果、あまりのおちゃらけた作りにシラケ鳥を飛ばしてしまった(古っ!)。日本の配給会社も罪作りだよなあ、原題は「The Mummy」で「ミイラ再生」のリメイクなのに、あからさまに柳の下のドジョウ狙いな邦題つけちゃって(確かご丁寧にもポスターのタイトルデザインまで同じだった)。まあ、実際本編の内容もちょっとそんな感じだったような気がするけど(笑)。
 初っ端からぼろくそ言ってしまったけど、B級と割り切ってみれば、実は憎めない愛らしい作品だったりする。たまたまチャンネルを回したときにやっていると「しょーもない作品だけど暇だから見てやるか」って感じでだらだら見始めて、結局最後まで楽しんで見ちゃったりするタイプ。あれ、面白かったじゃん、みたいな。あと、ブレンダン・フレイザー、結構好きなんだよね(笑)。あの下膨れ顔がかわいい。
 今回見て気づいたことが一つ。確かにこの作品、作りがベタ過ぎて新鮮味のかけらもない(それがインディ・ジョーンズとの違い。スピルバーグは古典的な活劇映画の道具立てを使いながら、必ず観客の予想を遥かに超える「やりすぎ」演出を見せてくれる)。だが、その新鮮味のなさが最後まで貫かれているのが凄いのだ。王道に次ぐ王道展開、ベタに次ぐベタ、お約束に次ぐお約束が素晴らしいテンポで繰り出される。こちらの予想を裏切るようなことは絶対にしない。次はこう来るだろうなー、と予想したら決まってその通りになる。ここまでやってくれると逆に一種のすがすがしさまで感じてしまうから恐ろしい。なんかもう推理モノで伏線が次々に回収されていくのと同じ感覚でお約束イベントが消化されるのを見ることが出来るのだ。ある意味天晴れ。
 ちなみにうちの父は「マッケンナの黄金」に似ているという理由でこの映画をちょっと気に入っているらしいです。