「夜の大捜査線」(1967年、米)

 BSで放映したのを録画し、そのまま見忘れていた作品。ESが一段落したので息抜きに見た。
 基本的にはミステリー+刑事ドラマの「バディ(相棒)・ムービー」的作品。知的でクールなシドニーポワチエ頑固一徹ロッド・スタイガーの掛け合いが最高。特にスタイガーは台詞回しの小気味よさや微妙な感情の変化を見事に表現する仏頂面が絶妙に巧い。前半のポワチエと反目しあっている時の意固地な態度なんか「素直じゃないなー、もう!」と肘でつんつんしたくなるくらいの可愛らしさだ。
 人種差別の問題を扱った名作として名高いけれど、娯楽性が強いので堅苦しくならず楽しんで見られる。どちらかというと人種差別の要素は主役二人のキャラクターを際立たせるための味付けという感じがした。二人の対立の原因も人種的なものより(それももちろんあるけど)、エリートVSたたき上げという違いのほうが大きい。二人とも頑固だしね。そんな二人がラストで見せるさわやか笑顔がまぶしい。
 細かいところも結構面白くて、車でもトランシーバーでもアンテナがやたらに長くて(田舎だから電波が届きにくい)びよんびよんしてたり、貨物列車がスター・デストロイヤーかってぐらいに長かったりする。日本とはスケールが違うぜ。アメリカ南部の恐るべきド田舎ぶりは必見である。
 それにしてもポワチエがかっこよかった。この間見逃した「招かれざる客」も見てみることにしよう。

 ちなみにこの作品、クインシー・ジョーンズによる音楽もソウルフルでかっこいい。主題歌を歌うレイ・チャールズの声が若くて新鮮だ。
夜の大捜査線/続・夜の大捜査線 オリジナル・サウンドトラック

夜の大捜査線/続・夜の大捜査線 オリジナル・サウンドトラック