「ジャック・タチ映画の研究ノート」(ミシェル・シオン著 武者小路実昭、武者小路真理恵訳 愛育社)

 先日BSでも放映された「ぼくの伯父さん」などで有名なジャック・タチ作品の研究本。文章が全体的にちょっと気取った感じなのが玉に瑕(せっかくのタチ作品論なんだから、作品同様ほんわかした文章にしてくれればいいのに)だが、作品のずいぶん細かいところまで詳しく観察&考察されていて読み応え十分。タチへの愛がひしひしと伝わってくる。この本の中で指摘されて初めて「あのシーンにはこんな意味があったのか!」と合点がいった部分がいくつかあった。私はタチ作品は「のんき大将」「ぼくの伯父さんの休暇」「ぼくの伯父さん」「プレイタイム」しか見ていないが、「トラフィック」や「パラード」も見ていればこの本をもっと面白く読むことが出来たと思う。うーん、読んでいるうちに見たくなってきた!
 とりあえずタチの作品は問答無用にスバラシイので、見たことが無い人は必見です。

ジャック・タチ映画の研究ノート

ジャック・タチ映画の研究ノート