「激流」

 あー面白かった。久々に見たけど、こんなに面白かったかしら、これ。細かいサスペンスの盛り上げ(特にジョゼフ・マゼロ構えた銃にケビン・ベーコンが手を置く場面と、デヴィッド・ストラザーンが崖に張り付いてボートから身を隠している場面の呼吸は圧巻!)も急流下りの激しいアクションも最高だ。まさに息つく暇もない。
 メリル姐さんの逞しい二の腕はさておき、今回注目したのはやはりパパさん役のデヴィッド・ストラザーン。最初に見たときはまったく印象に残らなかったが(っていうか今日見るまでパパさんが存在したことさえ忘れていた)、改めてみるとかなり頑張ってる。いくつかのシーンでは実際にアクションもこなしていて、さりげなく運動神経良さそう。個人的にお気に入りだったのは極悪な本性を現したケビン・ベーコン(やっぱり悪い奴をやった方がかっこいいぞ)と初めて対峙した時の表情。恐怖と怒りを抑えつつ家族を守らなきゃと必死になっている感じが凄く出ていて素敵です。最初息子に嫌われてるところも哀愁ポイントUPでグー。
 ケビン・ベーコンの役柄は悪いことは悪いんだけど、肝心なところで大甘(逃げたパパさんを殺さなかったり、メリル・ストリープに櫂でひっぱたかれてもあんまり怒らなかったり)なので、微妙に安心しながら見ていられる。その辺はサスペンス的にちょっと弱いかもしれない。より極悪な方が素敵だったのにな。