「デス・プルーフ in グラインドハウス」

こないだの休みに友達と六本木ヒルズまで見に行ってきました。
タランティーノ大好き人間ながら奴の作品ではこれが劇場初体験です。
ツボった点をいくつか。
その1:噂のラスト
大爆笑。「オチが笑える」とは聞いていたので、後半の「激突!」風味な展開から「恐怖の報酬」(←オリジナルね)的そりゃねーだろオチを想像したんですが、全然そーゆーのじゃなかった。いやはやそう来ましたか。「THE END」じゃないだろ「THE END」じゃ。
見た後その日一日は思い出し笑いできる凄い終わり方です。
その2:ラップダンスおねえちゃんのメタボ腹
大丈夫か。その若さで。まあエロさは抜群だったんでいいけど。
そういえばベリーダンスとかフラダンスがうまい人ってみんな凄い肚してるなあ。
その3:忘れちゃいけないゾーイ姐さん
男前。鉄パイプ片手に猛然とダッシュして襲ってくる姿は怖いの一言です。「サイドウェイ」の全裸オヤヂかあんたは!でも茂みから出てくる時がとても可愛いので許す。
その4:なんと言ってもカート・ラッセル
もぅ、かっこよすぎ…。後半の急転直下のヘタレ路線もダメ男好きのツボを直撃するキュートさで最高だったんですが(この部分、字幕もふるってます。「I'm sorry!」が「俺が悪かった!」とかだったらあの面白さは出ない)、個人的には前半のサイコ野郎っぷりに鳥肌立ちまくり。助手席に乗せた金髪のおねえちゃんをいたぶるシーンでのイっちゃってる感じもクールでしたが、あのバタフライにラップダンスをさせようと口説き落とすところの素晴らしさはもう格別。セクシーすぎて鼻血出そう。ああいう台詞を書けるタランティーノってやっぱすげぇなあと思いつつ、ああいう台詞をあれだけネットリと且つナチュラルに演じられるカート・ラッセルにも脱帽です。
ちなみにめっちゃ余談ですが、ここで暗唱した詩の元ネタはこれでした。
http://jp.fujitsu.com/group/fasol/downloads/services/rest/englishgarden/eg_055.pdf
上のリンクは意味がわかりやすいけれど、こっちは韻を踏んでいるところやリズムも工夫して訳していてグッド。
http://www16.plala.or.jp/momo147583/Frost-1.pdf
人生哲学な感じのこの詩に映画では「Did you hear me Butterfly?/ Miles to go before you sleep」というパートを追加してロマンチックなものに一変させちゃうのが凄い。
もともと有名な詩らしいけど、こちらのブログ↓を読むと、シネフィルのタランティーノのこと、この「テレホン」がどうも元ネタくさいぞ。
http://blog.goo.ne.jp/ryuukoh/e/ffcb54275ff7ffc8783e9efc265b0626
なお、巷では「前半のダベりが退屈」という意見をよく目にしますが、「アメリカン・グラフィティ」のダベりの下品バージョンだと思えば問題ないです。っていうかそこまで退屈なものでもないと思うけどな。
全体に好みど真ん中だったものの、一つ期待値を下回った点があって、それはタランティーノの足フェチっぷり。安部公房レベルの変態ぶりが見られるかと思ってワクテカしてたのに、一般的エロオヤジの範囲を脱してなくてがっかりだよ!(やっくん風に)。まあ、下品系・残酷系のネタをユーモアで味付けして嫌悪感を抱かせないように描けるってのも才能ですけどね。
何はともあれ、個人的には大満足の一作でした。
http://www.grindhousemovie.jp/

次は「プラネット・テラー」だ!