「カンバセーション…盗聴…」

　先日は「ゴッドファーザー」Ⅰ＆Ⅱに感嘆したものですが、この作品もすんばらしい。７０年代のコッポラさんはマジで輝いてますね。この映画、話の題材や雰囲気はヒッチコックっぽいですが、映像的にはデ・パルマ＋キューブリック÷２って感じのクールな妖しさが漂ってます。何気ないシーンが意味深に不気味だったりするから油断できない。ときどき画面の構図が異様に整っているシーンがあったりして、絵画的というか、嫌に作為的で不自然な感じがするんですよね。カメラワークも同様で、意図的に反復を繰り返してます。凄く芸が細かい。”不穏”という言葉がぴったりのムードがかもし出されています。ジーン・ハックマンも焦燥感イッパイの挙動不審ぶりが最高。相変わらず良い芝居を披露しています。っていうかいつ見ても外見が同じですねこのおじさんは。若い頃というものがなかったんでしょうか…。
　「ゴッドファーザー」組から引き続いて出演したジョン・カザールとロバート・デュバル（←なぜかノンクレジットだったので一応伏字）もグッジョブでした。ジョン・カザールは見るたびにかわいくって仕方ないです（特にデコが）。なんともいえない良い味わいがありますね。早死にしてしまったとかで、もったいない限りです。この人の出ている映画はどれも一見の価値がありますよ。個人的には「狼たちの午後」のサル役と「ゴッドファーザー」のフレド役がツボをドンピシャに突く情けなさで大好きなのですが。
　ちなみに若い頃のハリソン・フォードも出てます。シンディ・ウィリアムズとのツーショットでは「アメリカン・グラフィティ」の時は一緒に車に乗ってたくせに…とニンマリしてしまいました。

カンバセーション…盗聴… [DVD]