「アンタッチャブル」
今更ながらデ・ニーロさんにハマり中なので、カポネっぷりを堪能するべく改めて鑑賞。おお、前髪が…。しかも小太り。まるっきりカポネになってます。恐るべしデ・ニーロ・アプローチ。それはともかく、裁判所で暴れる小太りデ・ニーロ、なんかかわいいぞ。
※以下ネタバレあります。
今回驚いたのは、以前に見たときはかっこよく見えたケビン・コスナー扮するエリオット・ネスがちいともかっこよく見えないこと。いや、演技力の方はラズベリー賞のお墨付きだけあってダイコ(以下自主規制)だけど、ルックスに関しては申し分ないはずなのに。それなのにかっこよく見えないのはなぜか。それが話の筋を追ってると、どーもネスさんをかっこよく描こうという努力を監督&脚本が放棄しているとしか思えないのである。だって最初の失敗するところだけはしっかり見せておいて、以降は美味しいところをほとんど人に取られっぱなし。貫禄たっぷりでいぶし銀の魅力全開のショーン・コネリー扮するマローンさんが戦術指南から情報収集、現場での指揮まですべてやってしまうので実質リーダーのようなもんだし、カポネを逮捕する糸口を掴むのもネスが最初は「勘弁してくれよー」的な態度で接したメガネっ子ウォレス(チャールズ・マーティン・スミス。アメリカン・グラフィティ同様にナイスなヘタレ)、そしてあのポチョムキンまるっと頂きの階段銃撃戦シーンだって一番かっこよかったのはストーン(アンディ・ガルシア)の銃パス→スライディングの流れ、というあまりといえばあんまりなお株の奪われぶりなのだ。ちなみにこのシーンでネスは散々迷った末に乳母車運びを助けるという優柔不断ぶりを発揮したばかりか、余所見ばっかりしていて母親が「もう大丈夫です」といっているのに乳母車を放さず、いきなり銃撃戦を始めた挙句、予告なく手を離したせいで乳母車の階段落ちにつながってしまうというオマケつき。あれ、お前が犯人だったのかよ!
後半めぼしい人が死に(ああ…)、やっと活躍の場が回ってきたかと思いきや、殺し屋との一騎打ちでは「うわ〜」とか言ってギャグみたいに転がり落ちるし、殺し屋を撃つ千載一遇のチャンスでも溜めにためた末あきらめるし(あそこは撃たなきゃ!)、かと思えば一度助けた殺し屋の油断したところを狙って突き落とすという非道な振る舞い。一番のクライマックスのオチが主人公による突き落としってどうなの…。決め台詞もマローンの頂きだしなあ。もうちょっとかっこいい設定にしてあげてくださいデ・パルマさん。
というわけで個人的にはデ・ニーロのカポネとショーン・コネリーとアンディ・ガルシアを楽しむ映画でした。あと、オープニングのテーマ曲は史上最強レベルに痺れる。
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