「フライトプラン」
予告を見たときはヒッチコックの「バルカン超特急」のパクリ?と思ったけど、内容はあんまり似てなくて、イヤ〜な感じのする映画でした(笑)。
※以下、ネタバレあります。
前半が何しろ非道い。登場人物がみんな感じ悪くて誰にも感情移入できない。ジョディ・フォスターは最初に登場した時からピリピリ神経質すぎて他人を寄せ付けない感じだし、いくら娘を探すためとはいえやってることが無茶苦茶で大迷惑、拘束されても仕方ないくらい。応援できません(映画「トワイライト・ゾーン」第四話のジョン・リスゴーはすんごく同情できたんだけどね^^;)…。保安官も一応正しいことはやってるんだけどイヤな奴だし、乗務員はみんな初っ端から無愛想すぎ(最初は親切にしておいて後でだんだんジョディ・フォスターを信用しなくなる方がリアリティがあるかも)。乗客も迷惑なのはわかるんだけど、アラブ人を犯人扱いしたりジョディ・フォスターが捕まった時拍手したりと妙なところで一致団結しててやっぱり感じ悪い!アラブ人と機長(ショーン・ビーンいい人)だけは同情できるけど、本筋にあんまり絡んでこないし…。総じて緊迫感はあるんだけどヤ〜な感じでした。感情移入とメリハリのためにも、最初のうちは絶対に”好感の持てる優しいジョディ・フォスター”と”親切な乗員乗客”を演出しておいた方がよかったと思う。
犯人が判明してからの後半は脚本的にはメタメタなんだけど(前半あそこまで綿密なプランを練って慎重に行動してた犯人が、一気に行き当たりばったりで馬鹿っぽくなりすぎ)、まだしも話が前向きに進んでいるので前半より気を楽にして見られました。でも最後爆破するのはやりすぎ。
あと、演出が全体にこけおどし気味で好きになれない。無機質な画面やシンメトリーの多様、HAL9000?ぽいところなど、キューブリック風味の演出がいくつかあったけど、狙ってやったんでしょうか。特に意味の無いシーンなのに無駄に撮り方が凝っててちょっと落ち着かなかった。凝った演出は物語上の”ここぞ!”という時にだけ決めてほしい。
特典にドラマ「LOST」の第一話が入っていて、こっちの方が面白かったな。しかしこのコンボ、観客を飛行機嫌いにさせる策略としか思えないんですが(笑)。
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