「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」

ジョニー・キャッシュ悪い男やなあ。煮え切らない態度で優柔不断で自分勝手でヤク中で。女を泣かす悪いヤツめ。でも、女の人ってそういうところに惚れちゃうんだよなあ。
個人的にカントリーに燃えられない性質なのでうまくドラマの流れに乗れず損した気分。ちとまだるっこしいけれど、丁寧なつくりの良い作品でした。キャッシュとジューン・カーターの微妙にすれ違い続ける温度差の恋愛模様もおもしろかった。
ホアキン・フェニックスは凄い。演技ももちろん良い(クスリでイっちゃった状態でステージに上がり、やばい顔のまま歌うシーンにはシビれた。笑)けど、特筆すべきはその歌。最初の頃は音が不安定で「こんなへたっぴで大丈夫なのか!?」と心配になったけど、だんだんと歌唱力が上がっていく過程をしっかり演じていたので感心しました。最後の方では低音の魅力を活かした堂々たる歌いぶり。セクシーです。
リース・ウィザースプーンは歌も演技も上手いんだけど、どう見てもウィレム・デフォーにしか見えなくて…(笑)。だってそっくりなんだもん、この二人。
あと、作品自体には関係ないけど、字幕が少々難あり。”nothing”って単語は大事なシーンごとに何回か出てくるキーワード(っていうかジョニー・キャッシュにとってのトラウマワード)なのに、毎回ちょっと違う訳語を当てられてる。ここは印象的な訳を当てて統一しなきゃダメでしょう。