「めし」

久々にみました。
いやぁ〜、いいわあ。昔の日本。
ゆったりと流れる空気がたまらん。ひたすら上品で優雅で。女性が外に行くのに着物でおめかしして「〜でございますのよ」とか「ごめんあそばせ」とかサラリと言ってるのがかっこいい。あこがれちゃいますね。
とりあえず、「東京物語」が当時の東京を観光できる映画だとしたら、こちらは大阪観光の映画です。いつみてもいい味出してるね食い倒れ人形。眉毛もしっかり動いてました。
役者陣では、上原謙がこれぞ「日本のダメ亭主」といったキャラクターを色気たっぷりに演じていて素晴らしい。夕飯の時(使うのはもちろんちゃぶ台。あれってひっくり返すことを想定して作られたとしか思えないデザインしてるなあ)、タバコ片手に床に置いた新聞を読み、奥さんに何か言われても「あー、ふん」とかいう生返事しかしない旦那さん。「いるいる、こういう人!」と思っちゃうダメップリなのに、それでも魅力的に見えちゃうんだからたいしたもんだ。はまり役です。
それにしても成瀬巳喜男監督は女性の心理をきめ細かく描写するのが上手いなー。林芙美子の原作があるとはいえ、時代を超えて共感できる女性像を作り上げられたってのは凄いと思う。

めし [DVD]

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