「マスターズ 超空の覇者」

もの凄いB級映画の極致みたいな映画。全編が失笑の起爆剤のかたまりという恐るべき作品です。スーパーマンもどきのオープニングにスターウォーズとフラッシュゴードンを足して5で割ったような世界観、なのに主人公はコナン・ザ・グレート、というありえない組み合わせとあまりの恥ずかしさに抱腹絶倒。おまけに舞台が現代のアメリカに飛んだりしてもうめちゃくちゃです。そのせいで一部バック・トゥ・ザ・フューチャーだったりキャリーだったりしてエライことになってました。日本製のシンセサイザーとか意味わかりません。敵役の描写もちゃっちいし、なんか戦隊モノの悪玉みたいで微妙でした。
しかも何が凄いってこの映画、テンポの良さだけは抜群なことです。普通こういったモロなB級(というかZ級)映画ってツッコミを入れるのも面倒になるくらいテンポが悪くて脱力なモノが多いんですが、これはやたらとテンポが速くて突っ込みどころが雨あられのごとく降ってくるのでだれる暇が無い(笑)。っていうかオープニングから飛ばしまくりなので、1時間を過ぎたあたりで逆に見ているこちらが疲れてしまいました。爆笑度とアホさの両方であのバトルフィールド・アースを上回っているといっても過言では無いでしょう。
キャストも味のある人が出ていて、バック・トゥ・ザ・フューチャーの禿頭の先生とかいました。でもびっくりしたのがフランク・ランジェラグッドナイト&グッドラックではCBSの社長を、スーパーマンリターンズではデイリープラネットの編集長を演じていた素敵なおじさまが、この映画では悪の親玉を微妙に熱演しています。しかも顔全体がガイコツメイクで覆われているので誰だかわからん(DVDパッケージでドルフ・ラングレンの後ろにいるお方です)。誰にでも恥ずかしい過去はあるのですね。
思いっきり脱力なオチも含めて、ホント凄い映画。最近見た中では抜きん出ている怪作でした。