見たものを忘れないうちにメモ。今回は邦画ばっかりだなあ。

・「東京ゴッドファーザーズ

うを、やっぱ絵が趣味じゃない〜!っていうか出てくる女の子がことごとくブサイクってアニメとしてどうなの(笑)!ミユキが鼻をずびびびってやるところなんてわざとブサイクに描いてるとしか思えん!一番色気を感じたのが「ろっく〜でなし〜」だもん(笑)。どうせなら鼻から豆とばして欲しかったけど。あとねー、ギンちゃんのデザインも微妙。江守徹本人の顔の方が間違いなくインパクト強いから。
筋は良く出来てるんだけど、こじんまりしてて突き抜け感が足りない。これって絶対実写向きの話だよなあ…。ギャグシーンとか、見てて「生身の人間がマンガチックなアクションで受けを狙ったサムさ」みたいなのを感じてしまったよ。アニメなのに。ラストのチェイスも抑え気味のタッチなんで迫力的に損してる感じだし。
でもたぶん、下妻物語とかクドカン作品みたいなはっちゃけた演出すれば実写でやってもじゅうぶんいけるんじゃないかなあ。いやむしろそっちの方が絶対面白いって。

・「山椒大夫

溝口健二 大映作品集Vol.1 1951-1954 [DVD]

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何か嫌なことでもあったのか、森鴎外よ…(爆)。聞きしに勝る凄い不幸のずんどこ映画でした。実は溝口さん初体験なんだけど、ちょっと趣味違うかな。小津さんみたいにどっぷり嵌ることは出来なそう。
話はあれですね、あの観音様が無かったら手も足も出ないまま終わってましたね(^^;)。成人した厨子王役の花柳喜章はイマイチ。うちの両親的には東映アニメの「安寿と厨子王丸」の方が名作らしい。 
津川雅彦って子供の頃は美少年だったのね…という発見と、映像の迫力・美しさ、実質的な出演時間は短いのに素晴らしい存在感を見せた田中絹代が収穫でした。

・「東京物語

東京物語 [DVD]

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卒論ですさんだ心を癒したく、久々に見直した。やっぱいいわあ〜。杉村春子姐さん最強。中村伸郎と夫婦役ってのが凄いね。ここんちの子供になったら、何かあっても見捨てられそうだわ(笑)。あと笠智衆はあれで48歳は老けすぎだよ!
先日、蓮實重彦御大の「監督 小津安二郎」を読んで「おお〜小津映画ってこんな見方もできるのか!凄!」と大感激したばかりということもあり、前回とは違うところに注目しながら鑑賞することが出来ました。この本の中に”後期小津作品の家では階段が絶対に映らない(例外は秋刀魚の味)ので、二階は映画的に宙に浮いた存在になり、そこは未婚の娘の聖域となっている”といった趣旨の論述があったのを思い出し、見てみたら、うわ、本当に全然映ってない!これを確認できた時はちょっと鳥肌立ちましたねえ。ああもことごとく階段の映像が排除されていると異様です。途中の省略といえば、尾道から東京までの汽車とか、移動の様子も全て描かれませんでした。点から点への直接移動、ってところが徹底してる。これって、この作品の場合は、階段の省略と同じ意味なんじゃないかしら。同じ家に居るように見えて実は階段というつながりが無いことで隔絶してしまった一階と二階。主人公の老夫婦とその子供達も、同じ家の一階と二階というすぐ近くにいるはずなのに、心は(そのつながりを省略されてしまった)東京と尾道のように隔絶している…とか。そんなことを考えてしまいました。
ああ〜ハスミン御大の影響もさることながら、論文なんかやってるから理屈っぽい見方しちゃったよ(笑)。
監督 小津安二郎

監督 小津安二郎