「海を飛ぶ夢」

海を飛ぶ夢 [DVD]

海を飛ぶ夢 [DVD]

いい映画でした。説教臭かったり不幸どよよんだったらイヤだなあとか思ったけどそんなことはなく、よく練られた正統派の人間ドラマでよかったです。アレハンドロ・アメナバールは凄い勢いで進化してるなあ。特に気に入ったのが夢の中の映像、あの浮遊感と音楽とのシンクロ具合が絶妙。音楽も自分で手がけるとは凄い才人です。「テシス/次に私が殺される」は友人に勧められて見たけど微妙だったし、「アザーズ」も上品な演出が良かったけど「シックス・センス」の後では…という内容だった。でも今作はバッチリでした。登場人物それぞれに共感と反対できる要素両方があってキャラクター描写の豊かさに唸らされます。割と「困ったちゃん」なロサとかハビとかも応援できるし。あのうるさい神父も言いたいことはわかるからなんか憎めないんだよなあ(うっとおしいけど)。個人的にはジェネの頼れる姐さんっぷりに憧れました。
あと、主役のハビエル・バルデムってまだこの時35歳なのね…若い時の映像が同じ顔だったからまさかとは思ったんですが…。恐るべし特殊メイク+演技力!それにしてもあのねっとりとした眼差しがセクシーで素敵です。
映画自体に文句はないんですが、肝心なシーンでかかる音楽が…日本人にとってあの曲はもはや「イナバウアー」ですよ!トリノ五輪の前に見ればよかった!