「ヒトラー 〜最期の12日間〜」

BS2でやっていたのを見ました。
いや、良かった。
敗北寸前で切羽詰まりまくりのナチス・ドイツ上層部の迷走ぶりが「日本のいちばん長い日」で見た大日本帝国のトップの混乱と似すぎで笑うに笑えません。人間、追い詰められると行き着くところは同じなんだなあ、なんて妙な感慨と親近感がわきました。
ブルーノ・ガンツヒトラーはなんか顔立ちがソフトすぎて最初は「?」な感じでしたが、憔悴しきってだんだん老け&小さくなっていくところが凄かったですね。本当、今までにないヒトラー像で新鮮。
出演者の中では、スキンヘッドで劇画顔のクリスチャン・ベルケルがツボでした。この人、「ブラックブック」ではけっこう卑劣な感じの役をやっていてそれがまたなかなかイイ感じなんですが、こちらの映画では健気な内科のお医者さんで応援したくなります(※史実ではこのお医者さん、人体実験で何百人も死なせて結構極悪だったらしい。が、映画の中ではいい人です)。「es」にも出てたらしいけど見た当時は全然意識してなかったからなー。今度もう一回見てみよう。
トーマス・クレッチマンは「キング・コング」の男前な船長と打って変わってヘタレ気味の役でしたが、これはこれで美味しい。
全体的に役者さんがみんな実際の人物に似ていたのがいいですね。ウィキペディアのこの作品のページから本人のページに飛んで顔写真を見られるのでおススメ。
まあ、ヒトラーとかヒムラーは特徴ありすぎるんでポイントさえ押さえていれば誰がやっても似る気はしますが。ゲッベルスの人は本当に雰囲気出てます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%BC_%EF%BD%9E%E6%9C%80%E6%9C%9F%E3%81%AE12%E6%97%A5%E9%96%93%EF%BD%9E
あと、全体的に「女の強さ」が出ていた映画でした。
現実逃避&責任転嫁しまくりのヒトラーに対し、妙にサバサバして明るく豪快に開き直るエヴァ・ブラウン
部屋の外で待機の夫ゲッベルスに対し、自らの手で我が子に毒を飲ませるゲッベルス夫人。
なんだかんだで生き残る秘書のトラウドゥル嬢。
最期までヒトラーに忠誠を誓うかっこいい女パイロット&看護婦さん。
男達のへたれっぷりに比して女性陣が強烈すぎました。
(映画には出てきませんでしたが、ナチス絡みだとレニ・リーフェンシュタールも凄い女です)
総評:個人的には「善き人のためのソナタ」より断然良いと思います。

ヒトラー~最期の12日間~スタンダード・エディション [DVD]

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