「ハワイ・マレー沖海戦」

面白かったところを箇条書き。
【音楽について】
・ラストに流れる「軍艦マーチ」を聴くと「いっちょ一戦やらかしてくるか!」と無駄に豪快かつ気が大きくなれること請け合い。名曲です。大砲までぶっ放しちゃってのりのり。
・「地獄の黙示録」の37年前にあの「ワルキューレの騎行」の使い方を実施していたとは侮り難し。
【特撮について】
円谷英二の特撮は評判だけあってさすがで、特撮の神様は伊達じゃない。
艦爆撃シーンでは海面を見ると「あ、ちっちゃい」ってことがわかるんですけど、木々の上を戦闘機が飛ぶシーンとか並んでいる建物の爆撃シーンは一瞬本物かと思って息を呑みました。あの精巧さは異常。相当規模のでかいセットだったことが窺えます。作ってて愉しかっただろうなあ、あれ。
このほかにも随所にこだわりが感じられ、魚雷で撃沈寸前の軍艦が煙出しつつ沈みつつゆっくり前進していくところとか、妙に優雅な美しさがあります。
・とまあ最強の特撮を擁する真珠湾攻撃の描写ですが、「爆撃する側」のみの視点ってのは画的にメリハリをつけるのが難しくてちと物足りない。ここは爆撃される地上目線(逃げる米兵のクローズアップとか)もほしいところ。
そのへんの描き方が素晴らしい「トラ・トラ・トラ!」とセットで見たい作品です。
【俳優について】
・ちなみに木村功がチョイ役(予科訓練性の一人)で登場。チョイといっても、台詞もアップもあるのでわかりやすいです。声と顔が同じだけど、若くてかわいい!
原節子も悶絶ものの可憐さですよ。小津映画では未亡人だったり行き遅れになりかけだったりと乙女とは言い難い役柄ばっかりだったので、今回の乙女っぷりはインパクト大でした。
【その他】
・水泳帽にふんどしとは斬新すぎるファッション。
・艦内放送とか朝礼?で号令をかける人が命令したりスピーチしたりする時は気合入りまくりなのに「以上」とか「終わり」とか「後は特に無し」とか言う時一気に素に戻ってテンション急降下なのが笑える。
・ちょび髭でノリのいいおっちゃん田代兵曹長?のキャラが素敵すぎる…。ああいうおじさんって絶対いるよね!

ハワイ・マレー沖海戦 [DVD]

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