「ミッドナイト・ラン」(1988年、米)

 ロバート・デ・ニーロ主演、マーティン・ブレスト監督のアクションコメディ。
 80年代らしいサービス精神に溢れた快作。楽しいエピソードの連続で見るものを飽きさせない工夫がなかなかうまい。デ・ニーロもかっこよく、こういう肩の力を抜いた演技を見ると改めてうまいなあと思ってしまう。また、「エイリアン」でシガニー・ウィーバーに反抗していたヤフェット・コットーが、ここではナイスなイラつき演技を披露。仏頂面で爆笑できたのは「ギャラクシー・クエスト」のアラン・リックマン以来である。
 しかし一番意外な拾い物だったのが「ベートーベン」のお父さんことチャールズ・グローディン。デ・ニーロを翻弄する相棒役を務めていて素敵。おっとりした風貌でとんでもないくわせものキャラというところが良かった。
 ところで、いっつも思うのが、80年代の映画って「夜の街」で「ネオンサイン」で「濡れた道路」だよなあ、と言うこと。つまり、こういう情景が印象的に使われるのだ。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」とか「ターミネーター」とか「ストリート・オブ・ファイヤー」とか「ハイランダー」とか。90年代に入るとこれらの要素はそれほど目立たなくなるんだけど・・・。なぜなんでしょう。