「禁じられた遊び」(1952年、仏)

 改めてオープニングを見ると、全てはあの犬(ジョック)のせいだったのですね。ジョックがじっとしてさえいればあんなことには(涙)。他にも多くの動物が物語の推進役として重要な役割を果たしています。
 戦争という「大きな喧嘩」と家族間の諍いという「小さな喧嘩」の対比。そして、死の意味を理解せず祈りを唱えるポーレット。懺悔を口にしながら十字架を盗むミッシェル。圧倒的な現実の前の宗教の無力、という痛烈な皮肉。
 「太陽がいっぱい」といい、ルネ・クレマン作品は”FIN”を出すタイミングがとんでもなく残酷である。

禁じられた遊び(トールケース) [DVD]

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