「M★A★S★H」
おおおおー凄ぇ。真面目で道徳的な「コンバット!」を撮っている間溜めに溜め込んだ本性をこの不真面目で不道徳な大傑作で見事に炸裂させてしまいましたロバート・アルトマン。顔鬼みたいだしなあ、絶対こっちが本性だよ。
なにしろ朝鮮戦争が舞台なのに、やっていることがいちいちすっとぼけてて不謹慎で凄い。見ているこっちも「戦争なのに…」とちょっぴり後ろめたさを感じつつ痛快さに大爆笑。いや、この”ちょっぴり後ろめたい”感じがまたいい具合にスパイスになってるんだわ。この際どいネタでここまでばかばかしいものを作れるっていうのが凄い。ラジオ東京のノー天気炸裂な日本語の歌とかいいですねー。後半は脱線しすぎちゃってもはや何の映画かすらわからなくなってますが(笑)、それもまた無軌道ぶりを助長していてグッド。遊び心もたっぷりで、特に「最後の晩餐」再現には笑いました。いかにも「面白いことやってます」っていうフザケ顔ではなく大真面目に突っ込みどころ満載な行動をしているところが凄くおかしい。アメフトのシーンで敵チームの強力選手を離脱させるためにヘンな薬をコッソリ注射するところでも、律儀に腕を消毒したりする、このアホ臭さが最高に素敵。ブラックなのにお茶目、ここがポイントです。
ドナルド・サザーランドが若くて色白。メガネ+半ズボン姿が可愛いぞ。しっかしロバート・デュバルがあんな役で出ていたとは。あのクソ真面目な顔であんなことしたりされたりしてるのがおかしいったらない。「ゴッドファーザー」でのやり手弁護士トム・ヘイゲン役は最高にクールでかっこよかったのになあ。まあでも考えてみれば「地獄の黙示録」のキルゴア中佐も彼だし。ホントーに何でもアリの人なんですね。
とりあえず一度は見るべき大傑作。下世話なネタの充実ぶりが只事じゃないんで、オヤジ度が高い人ほど楽しめるかもしれない(笑)。
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