「スーパーマン II/冒険篇」

テレビで「スーパーマン」、映画館で「スーパーマンリターンズ」と立て続けに見たせいか、なんだかんだでハマってしまった(笑)。ケーブルテレビのラインナップにこの「Ⅱ」があったのでホクホク顔で見ました。
まず、「リターンズ」で疑問だった点が解決してスッキリ。「リターンズ」を見て不明点があった人やこれから見る人はこの「Ⅱ」を見ることをお薦めします。
作品自体は「Ⅰ」のような大作感は薄まってB級っぽさが増したけど、ノリとアイディアとキャストの魅力で押し切ってる感じ。楽しめる出来です。コメディ要素はやっぱ大事です。でもニューヨークの人々が風に吹き飛ばされるシーンはスーパーマンそっちのけのギャグが多く、そこだけ別の映画みたいになってました(笑)。「メリー・ポピンズ」で乳母候補のおばさんたちがゆるやかに吹っ飛んでいくシーンに近い笑いです。イギリス人監督リチャード・レスターの趣味?あと、スーパーマン(と悪役三人)が目から光線を出すシーンを見て、「ちゃんと光線してるなあ」と変な感想を抱きました。なにしろ「リターンズ」ではこの光線、CGによってリアリティが増した結果陽炎のようになり、飛行機救出のシーンではスーパーマンが”滂沱の涙”をダバダバーッと流してるように見えてしまったので(笑)。
クリストファー・リーブは前作にも増して輝いてます。特にクラークの格好のままで素のスーパーマンにスッと戻るシーンは、表情の変化が絶妙で素晴らしい色気とかっこよさ。惚れます。
ジーン・ハックマンも相変わらず素敵。イタズラ小僧がそのままオッサンになったみたいなあの顔がたまらん(余談ですが、「Ⅰ」の時のハックマンは48歳、「リターンズ」のケヴィン・スペイシーは47歳とほぼ同い年です。老け顔具合もいい勝負w)。冒頭では縞々の囚人服姿も見せてくれるほか、両手ピースで「オーストラリア〜」と嬉しそうに言うところなど、今回も茶目っ気全開で楽しませてくれます。クレジット順ではトップになったにもかかわらず、キャラとしては前作に輪をかけた超ヘタレの小賢しいヤツなのがなんとも可愛い(笑)。いいのかそれで。
それから、「Ⅰ」をテレビで見たときに感じたマーゴット・キダーの可愛らしさは、やはり吹き替えによるところが大きかったのだと実感しました(今回は字幕で鑑賞)。やせすぎとは言えルックスは別に悪かないと思うんですが、あのハスキーボイスがイマイチ…。ヘビースモーカーのキャリアウーマンというキャラクターはよく出てるんですけどね。
悪役のテレンス・スタンプはマンガチックさがちょっと足りないかな。この人、見る時によってめちゃめちゃかっこよく見えたり気持ち悪く見えたり(笑)するんですが、今回は気持ち悪い方の比率が高かったかも。あの撫で付け髪とヒゲは似合わない気がします。個人的には悪女お姐さんのさりげなくセクシーなスリットに目が行ってしまいました。
それにしても、見ていてなーんか物足りないなと思ったら、マーロン・ブランドが出ていないではありませんか。「Ⅰ」を見たときは正直「出番少ないし、わざわざマーロン・ブランド使わなくても良くないか?」と思ったのですが、いなくなって初めてその存在感を実感しました(この点「リターンズ」はナイス判断)。奴め、やっぱり名優だ!

スーパーマン 2 冒険編 [DVD]

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