「アナライズ・ミー」

ロバート・デ・ニーロ好きにはたまらない作品。もう、デ・ニーロのキャラがかわいくてかわいくて悶絶死しそうです。コワモテな人がそのイメージを逆手にとってセルフ・パロディ的に情けない役柄をやるっていうのはよくありますが、デ・ニーロの場合自分で遊んでいるだけに留まらずキャラクターとしての面白さとリアリティをしっかり構築できているのが流石。「ほら、面白いでしょ?」的なあざとさ(「ミート・ザ・ペアレンツ」ではちょっとあった)をあまり感じさせないしっかりした演技なので、見てるほうも安心して楽しめます。しかも前半可愛らしく情けなくキメていた分、ラストのマフィアの会合に姿を表した時の貫禄にはしびれました。
ビリー・クリスタルも困り顔がかわいらしくオッサンの魅力全開。芸達者です。デ・ニーロとの丁々発止のやり取りでは大笑いできました。
マフィア映画のお約束を利用したギャグも楽しく、名作「ゴッドファーザー」のパロディも爆笑モノです(その後すぐ台詞で解説しちゃうのはちと野暮だったけど)。ただ、どうせならマフィアものには欠かせない”床屋でヒゲ剃ってるところを襲撃”のシチュエーションはぜひ入れてほしかったなあ。
監督のハロルド・ライミスは「ゴーストバスターズ」で一番地味なメンバー、ひょろ長いメガネのお兄さんを演じていた人。いつの間にか監督として活躍し、優しそうなオジサマになっていたのには驚きました。この人の撮るコメディーはクドさとか突き抜けたバカバカしさみたいなものが無いので人によっては物足りなく感じるかもしれませんが、おっとりとした雰囲気は味わいがあってなんだか好きです(「クローンズ」とか)。

アナライズ・ミー [DVD]

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