「十二夜」

大学の授業でやりました。シェイクスピアの喜劇です。トレヴァー・ナンによる映画化作品が有名。
今回読んだのは小田島雄志さんの訳だったんですが(この人の、シェイクスピアの英語駄洒落を日本語に置き換える執念が凄いのだ)、非常に読みやすかったです。やっぱり喜劇だと怒涛の駄洒落攻めが冴えまくり。
本筋自体もなかなか良かったんですが、個人的に心奪われてしまったのは、へっぴり腰でおばかさんなサー・アンドルー。何が良いって彼が無い知恵を搾り出して書いた、シザーリオ(主人公ヴァイオラの男装した姿)への果たし状の文面ですよ。

「お若えの、きさまがいかなる身分のものかは知らんけど、卑怯者だってことはたしかなり」
「なぜぼくがそう呼ぶか、きさまが胸に手をあてて驚きあやしんでもだめなり、なぜならば、ぼくはまだその理由を教えてないからなり」

ああー可愛いのう(*´∀`*)。小田島先生によるなぜかコロ助リスペクトな文体によって、絶妙のおばかっぷりが表現されています。ナイスです。ああ、あと酷い目に遭わされる執事のマルヴォーリオもヘタレっぷりが可愛い。

十二夜 (白水Uブックス (22))

十二夜 (白水Uブックス (22))