「クリムゾン・タイド」

ジーン・ハックマン目当てで見て、デンゼル・ワシントンにも惚れました。どっちもかっこいい(・∀・)b!ハックマンはいつも通りの頑固なおやっさん、デンゼルもきっちりした正義漢で、イメージドンピシャの役を抜群の安定感で演じています。意外な配役っていうのも美味しいけど、こういうピッタリ正統派のはまり役を見られた時の嬉しさは格別。デンゼルは「トレーニング・デイ」で意外に極悪な人がはまっていてビックリしたけど、やっぱりこういう清廉潔白ないい人をやってほしいなあ。ハックマンは傍から見ている分には闘魂注入されたいぐらいかっこいいオヤジなんだけど、実際に自分の上司になるのは勘弁してほしい(笑)。隣の部署の上司にはハックマン、自分の上司にはデンゼル希望です。
この主役二人のかっこよさだけでも大満足なのに、おまけにヴィゴ・モーテンセンライアン・フィリップまでいてもうお腹一杯。こんなにイイ男度の高い潜水艦なら多少むさくるしくても許せます。むしろ乗りたい(笑)。
物語自体はツボを押さえた作りで安心して見ていられます。ここ最近は社会派な映画を立て続けに見て疲れちゃったから、これぐらいの気楽さの方が楽に見られていいわあ。「エリートVS叩き上げ」という構図はわかりやすいけれど、「現場を知らない温室育ちの使えないエリート」とか「脳ミソ筋肉で無駄に過激派な叩き上げ」といった、片方を単純な悪役に設定するありがちな作りをギリギリのところで回避しているのがミソ。どちらの言い分にも一理あるので、わからずやを説得できないイライラ感とは無縁な所が素晴らしいです(関係ないけど、デンゼルが「スター・トレック」とか妙にオタッキーな部分で部下のハートを鷲掴みにしていたのがツボでした。「眼下の敵」の引用があったり、大味映画の割りに細かい目配せがなかなかグッドなんですな)。冷静に考えればデンゼルの主張の方が正しいけれど、自国に敵の核ミサイルが飛んで来るか否かの瀬戸際だと、ハックマンの焦りにも共感できます。ただ、配役と物語の展開から「実際の指令の内容」が読めちゃうのはサスペンス演出の上でマイナス。あれで逆の結果だったらそれはそれでイヤですが。
あと、ここぞという時にかかるハンス・ジマーの音楽は良かった。特に中盤の「敵艦撃破!」→「乗員勝利の雄たけび」→「ジマー節」、という待ってました!感炸裂な展開には燃えること必至。

クリムゾン・タイド 特別版 [DVD]

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