「亡国のイージス」

テレビでやっていたので鑑賞。なんつーか、最近良作・力作に立て続けに当たっていてホクホク顔だったのですが、今回久々に来ましたよハズレがorz
前半は割かし真面目に頑張って作っている感じがして好感が持てたのですが、後半一挙にグダグダに…。
ラスト三十分はマジで睡魔との闘いでした。
なんていうか、全体的に脚本と編集が酷すぎ。カットの順序が間違ってるとしか思えません。時系列もどうなっているかわかりにくいし、変な所で回想シーン入ったりするし、アクションシーンなんてカットごとのつながりがよくわからなくなるくらいのブツ切り状態。特に酷いと思ったのが如月と某国女工作員の水中対決。まず飛び込むシーンからして誰がどこからどのタイミングで飛び込んだのかさえやたら把握しにくく、水中の戦いに入っても緊迫感ゼロ。決着もフーンって感じで淡々とついてました。そもそも観客を興奮させて画面にのめりこませなきゃいけないところでシチュエーション説明も満足に出来ないなんて論外です。萎えます(T-T)。あと、後半反乱を起こした人たちが妙に情に流されて「俺たちは正しいのか?」みたいなことを考え出すのにはついていけません。クーデターを起こすような人はそんな程度で信念揺らいじゃいかんだろーというリアリティの問題はもとより、そんなナアナアなもの見せられても面白くないわ!という点で、娯楽面から見ても明らかな失敗です。主義主張のぶつかり合いがあるからこそアクションが映えるんじゃないかあああヽ(`Д´)ノ!もう基本的なところがダメ!
それに政治的な主張が説教臭いのもなんかね…。
説教臭くても面白ければ文句ないし、出来が悪くても変な説教臭さがなく面白いものを作ろうという頑張りが見えればいいんですよ。でも説教臭くて面白くないってのは最悪。
「日本はこれでいいのか!?」みたいな問題提起でしたが、むしろこんな映画を作ってしまう日本映画界を憂えてしまいます。国の心配をする前にまず映画界を何とかしろと言いたい。こんな豪華キャストそろえて自衛隊の協力取り付けて本物のイージス艦まで出してこれだけ面白くなりそうな題材を使って、それでこの出来ってのは…なんてもったいないorz。
あ、キャスト自体は良かったです。正直、メインの方々はどう考えても魅力をスポイルされる役柄で微妙でしたが、その分脇がツボでした。岸部一徳は相変わらず怪しいふてぶてしさ炸裂でグッドだし、谷原章介は制服が似合って見栄えが抜群なのでそれだけで最高(笑)。あと、池内万作はちゃんとみたのは初めてですが伊丹十三宮本信子がちょうどいい感じに混ざった風貌で素敵でした。

亡国のイージス [DVD]

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