「アイリス」

おめめくりくりおじいちゃんジム・ブロードベントを堪能しまくる映画。認知症を患ってしまった作家のアイリス・マードックを看病し、愛し続けるジョン・ベイリーの役なんですが、もぉ〜可愛くてしょうがないです(*´∀`*)。ジジ専の人が見たらたぶん卒倒するぐらい可愛いのでは。愛妻アイリスが認知症にかかっていることを知って呆然とする表情からアイリスを追いかけて走っていくチョイユーモラスな姿まで、全てが絶妙に素晴らしい。もちろん可愛さだけでなく演技そのものも抜群です。細かい心理の表現が繊細で心に染み入るよう。おじいちゃんに感情移入すると泣けて泣けてしょうがないです。ちなみにここまでおじいちゃんおじいちゃん書いてきましたが、この時ジム・ブロードベントの実際の年齢は五十二歳(「ムーラン・ルージュ」の時知って驚いた。老けてる…)。特殊メイク&演技力(&フケ顔)の賜物とはいえ、七十代にしか見えなかったよ(゚д゚;)!っていうかこれ「ムーラン・ルージュ」と同じ年の作品なんですよね。こちらでの老いっぷりを先に見てたら「ムーラン・ルージュ」でのイケイケぶりを見て「そ、そんなハッスルしたら体おかしくするよおじいちゃん(汗)!」と気遣ってあげたくなること必至です。
あと、このジョン・ベイリーの若い頃を演じたヒュー・ボネヴィル。「ジョン・ベイリー=ジム・ブロードベントの若い頃」としてあまりにも違和感がないので「よくこんなピッタリな人見つけてきたなー」と感心しました。彼の演技、ベイリーさんの愛らしい挙動不審っぷりの再現度が素晴らしかったのですが、コチラの写真を見るとまるで別人。恐るべし役者魂…。
この最強にラブリーかつ芸達者な男優陣に負けていないのが女優陣で、アイリスを演じたジュディ・デンチケイト・ウィンスレットがどちらも素晴らしい出来ばえです。特にジュディ・デンチは流石の貫禄で、後半病状が進んで台詞がほとんど無くなるにもかかわらず全てを表情と動きだけで完璧に表現していました。病状が進んでくると表情も乏しくなるんですが、その中で感情表現をしっかりこなして魅せる様は圧巻です。
もちろんケイト・ウィンスレットも若き日のアイリスを魅力たっぷりに演じていて最高でした。しかもしゃべり方をジュディ・デンチのそれに似せている!「ゴッドファーザーPARTⅡ」でデ・ニーロがマーロン・ブランドのしゃべり方に似せて演技していたのを思い出しました。これって演技スタイルが制限されるからけっこう大変なことなのでは。あと、彼女はこの「アイリス」で大胆なヌードも披露しています。もともとふ太め体型なんで(タイタニックで極寒の海から生還するには皮下脂肪が必要だったに違いない)裸になったら実年齢よりオバサン体型に見えるんじゃないかなどとおせっかいな心配をしていたんですが(笑)、意外や意外、彼女のふくよかヌードはヨーロッパの油絵に出てくる女性の裸体のようで瑞々しい美しさでした。
映像は綺麗だし、ストーリー自体も良い話で感動的なんですが、やっぱり見所は役者の演技!これに尽きると思います。

アイリス [DVD]

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