ご無沙汰してます。
会社勤めが始まると思った以上に疲れて、ブログを欠く気力が湧かないものでつい…。
前回日記から今日までに、映画館では「ブラックブック」と「スパイダーマン3」を観ました。
どっちも面白かったです。

「ブラックブック」は戦争映画とかサスペンス映画としてみると十分にどぎつくて面白いんですが、バーホーベン映画としてみると意外にもかしこまった丁寧な作りかなと感じました。「トータルリコール」とか「ロボコップ」みたいなはっちゃけっぷりが好きなもので。まあ、SFと史実に基づいた物語を同じ尺度で比べるのもアレですが。
ヒロインの女優さんは綺麗で、頑張ってました。ブルネットの時はものすごいイモねえちゃんだったのにブロンドになるとぐっと垢抜けますね。バーホーベンのお気に入り女優としてこれから何作かしごかれれば、凄くいい女優さんになりそう。
ただ、ドイツ軍将校役の俳優さんはジーン・ケリー系の二枚目で微妙に好みじゃなかったのがイマイチ。はまれませんでした。
話全体としては、「荒鷲の要塞」とか「特攻大作戦」系統のドイツ軍潜入モノに近い前半部分がわくわくできて好きです。

スパイダーマン3」は、観ている間中ずっと楽しめるのに、見終わった後で不完全燃焼感が残る妙な映画。前評判どおり、やっぱり詰め込みすぎかな。どうも、まともにタイマン勝負した場合”絶対にスパイダーマンがやられるorやっつけたとしても後味悪い”という結果になりそうな系統の敵キャラを、まとめて処理することでお茶を濁した感じです。豪快なのかセコいのかよくわからない戦法です。ラストバトルなんか宇宙生物のヴェノムと巨大化したサンドマンが一緒に居るせいで、なんかヒーロー映画というより怪獣映画に近いノリでした。いきなりキワモノ化が著しいです。
今回はトーマス・ヘイデン・チャーチサンドマンに期待していたんですが、妙に良い人キャラだったのが残念でした。せっかくのおいしい悪役なのに!しかしサンドマンの誕生シーンのCGは見事です。(ネタバレ感想:あの、ちょっと失敗するところが最高ですね。人の形になろうとして一度崩れたり、ロケットを掴もうとして砂化したせいで掴めないところとか。あの切なさの表現が絶妙でもう…。サム・ライミ、流石、わかってらっしゃいます)。とりあえず、この映画でサンドマンを見て「あのゴツめだけど眼差しの切ないおっさんは誰?」と気になった方、ぜひ「サイドウェイ」を見てください。トーマス・ヘイデン・チャーチのあまりのおちゃめっぷりにハートを鷲掴みにされること必至。
あと、今回はハリーが実質主役でしたね〜。今までは割とヘタレ系の役どころだったのに、今回は大活躍です。良かれ悪しかれいろんなことに果敢にチャレンジするも、ことごとく返り討ちに遭っているのが泣けます。(ネタバレ:ラストでハリーが今際の際に「友達だろ?」見たいな事を言う感動的なシーンがあるんですが、劇場で見ていた時ちょうどこのシーンのところで冷房が入り、まるで「爽やかな友情の風」が一陣吹き抜けたかのような効果になっていました。「粋な演出じゃねーかこのヤロウ」とちょっと笑ってしまったのは内緒です)。
あと、本筋とは全然関係ないんですが、ブルース・キャンベル(「死霊のはらわた」シリーズ見たことないので、”スパイダーマンにゲスト出演するくどい顔の人”としか認識できていない)がジョン・クリーズに見えました。

ついでにこの間テレビでやっていた1と2もレビュー。

スパイダーマン2」

ドック・オクが意外にいい人だったのがやはりマイナスだけど、全編突っ走るノリのよさはこの「2」が随一。特に手術室の演出の暴走っぷりが激しく、そこだけ違う映画になってます(笑)。
あと、このシリーズの密かな見所である「女性陣の巻き込まれ方」が一番凄いのもこの「2」。MJなんて毎度毎度ピンチになり具合がもの凄すぎてほとんどギャグの領域に突入しているわけですが、メイおばさんの巻き込まれっぷりもなかなか堂に入っています(ちなみに3ではグウェンが美味しいとこをさらっていました。「3」のラストのMJの状況がなんとなくピーター・ジャクソン版「キング・コング」のナオミ・ワッツみたいだったのは気のせい?)。

スパイダーマン

このシリーズで個人的に一番好きなのはこの「1」なんです。ヒーローものとしてのツボを押さえた丁寧で端正な作りで、安心感があって。変にとっ散らかっていなくて「よくできているなあ」と感じさせてくれます。
それに、なんといってもグリーン・ゴブリン最強ですよ。ファンの欲目を差し引いても、ウィレム・デフォー師匠のキャラの立ちっぷりは頭抜けてます。やはり怪人にはあれくらいのアクの強さと愉快犯的なショーマンシップがなければ! 鏡の前の一人芝居もかっこよかったし(っていうかこのシリーズの悪役って必ず一人芝居の見せ場があるような気が)。
ピーターのキャラクターもこの「1」が一番健気かつ素直でいい子、応援したくなる感じです。
最大の見せ場であるはずのラストバトルがありえないくらい地味なのを除けば、娯楽映画のお手本のような作品です。