「夜も昼も」"Night&Day"

こちらも旅行の帰りの飛行機の中で読んだトム・ストッパードの戯曲。
タイトルからしコール・ポーターの名曲そのものずばりなので、読んでいる最中ずっと映画「コンチネンタル」でフレッド・アステアジンジャー・ロジャースが踊ったあまりにもロマンティックなシーンがずっと頭の中でぐるぐるしてました。内容と雰囲気はメル・ギブソン主演の「危険な年」とか名作「カサブランカ」を髣髴とさせるもので、優雅かつシリアス。ラブロマンスの要素も素敵だし、ジャーナリズムの在り方に対する考えの提示も切実で非常にかっこよく、感動的です。シビアだけれど前向き、ちょっと意地悪なラストは深い余韻を残します。全体に「リアルシング」に比べて映画向きっぽいので、ぜひ映画化してほしいなあ。
読んでいる最中愉しかったのが「ゴドーを待ちながら」の時と同じく登場人物に自分好みのキャストを当てはめてみること。ルース=ニコール・キッドマンはこれしかないってぐらいハマった我ながらベストなキャスティングでした。ワグナーはオーストラリア人ってことなので前述の「危険な年」のメル・ギブソンが浮かんだのですが、ちょっと二枚目過ぎかつ軽薄な感じが足りないので悩み、「戦場に架ける橋」の頃のウイリアムホールデンなんか軽妙なノリを巧く出してくれそうでいいかもと思ったり(時代を超えた配役ができるのも空想の強みです)。他にもカースンはポール・ニューマンじゃ勿体無いかなとかジョセフ・コットンが案外良さそうとか、ミルンはもうちょっと若い頃のレオナルド・ディカプリオトビー・マグワイアがいいなとか勝手に考えて楽しみました。
改めてみてみるとかなりミーハー(面食い)なキャストな上、イギリス人が一人もいないってのも我ながらどうかと思いますが。